カツオ 血合いに含まれる鉄が貧血を予防する働きのある魚介類です。カツオの栄養と作用、調理、食べ合わせについて紹介します。カツオには、筋肉などをつくる良質なタンパク質やビタミン類、ミネラルが豊富に含まれています。
カツオ 栄養と作用
カツオは群れをつくり季節によって移動する回遊魚で、日本では初夏から秋にかけてが旬となります。春にあたたかい黒潮に乗って北上するカツオを「初ガツオ」、秋は水温の低下に伴って南下するカツオは「戻りガツオ」と呼ばれます。
カツオの身は刺身やソテーなどにして食べますが、ほかに、アラは煮物に、皮は酢の物に、内臓は塩辛にしたりと、カツオは捨てるところのない魚です。古くからカツオ節として利用されたり、缶詰に加工されることが多かったのですが、近年では生で食べることも多くなっています。
カツオには、筋肉などをつくる良質なタンパク質やビタミン類、ミネラルが豊富に含まれています。特に、血合いの部分(背骨の付近などにある赤黒く見えるところ)には鉄分やビタミン類など栄養が豊富です。赤血球の生成にかかわるビタミンB12の含有量も多いので、貧血の予防におすすめです。ビタミンB12はアミノ酸などと合わせて、疲労回復にもはたらきます。
また、不飽和脂肪酸であるDHAやEPAが含まれているので、脳のはたらきを活性化したり、動脈硬化などの生活習慣病の予防に期待ができます。
カツオといえば、代表的な加工品にカツオ節があります。薄く削られたカツオ節ですが旨み成分が豊富でおいしく、子供からお年寄りまで、手軽に栄養を摂取できます。
調理
日本でカツオの産地といえば消費量が全国第一位でもある高知県が有名ですが、高知では刺身よりもたたきにして食べるのが一般的です。たたきは表面を軽くあぶりますが、鮮度が落ちやすいカツオの旨み成分を閉じ込めて独特の生臭さを抑えることができるので、理にかなった調理法なのです。
食べ合わせ
ヘモグロビンの成分である鉄とビタミンB12を合わせると、ヘモグロビンの合成が促進されるので、貧血の予防に役立ちます。硫化アリルはビタミンB1の吸収を促すので、疲労回復につながります。血管をやわらかくするタンパク質と、抗酸化作用のあるβーカロテンを合わせて、動脈硬化を予防します。