タラ 肌を美しく、風邪を予防する魚介類です。タラの栄養と作用、調理、食べ合わせについて紹介します。鍋の材料として定番のタラは、高タンパクで低脂肪のヘルシー食材です。
タラ 栄養と作用
漢字でさかなへんに雪と書く鱈(たら)は、12~3月の冬に旬を迎える魚です。身は白くて、産卵期を迎え、雪が降る寒い時期においしくなります。
鍋の材料として定番のタラは、高タンパクで低脂肪のヘルシー食材で人気です。良質なタンパク質が含まれていて、私たちの体の血液や肉をつくる助けになります。タラの身はほぐれやすく消化が良いので、胃腸が弱っている人や、小さな子供、お年寄りのタンパク源として重宝します。
日本でタラと呼ばれているのは、おもに真鱈(マダラ)や、すけとう鱈(スケトウダラ)という種類です。マダラは成魚になると体長が1メートル以上になる大型の魚で、精巣である白子(しらこ)があります。しらこには、ビタミンDやビタミンB1、ビタミンB2などが豊富に含まれていて、疲労回復や美肌づくり、風邪予防といった効果に期待ができます。
スケトウダラはマダラと比べて小さく、身には水分が多いために鮮度が落ちやすくて、おもにちくわやかまぼこなどの練りものの原料となっています。そして、スケトウダラの卵は、ご飯のおともとして人気のたらこや明太子の原料です。
タラにはグルタチオンという成分が多く含まれています。グルタチオンは、もともと生物の細胞の中にある成分で、抗酸化作用があります。動物性食品なら、マダラのほかに赤貝や牛レバーに含まれ、野菜なら、ほうれん草、キャベツ、きゅうり、かぼちゃなどに多いです。
活性酸素が発生し体内に過酸化脂質が増えると、動脈硬化や高血圧の原因にもなります。グルタチオンの抗酸化作用は、活性酸素の増加を抑制し、生活習慣病の予防に役立ちます。
また、グルタチオンは、色の濃い黒色メラニンの活性化を抑え、美白の味方の肌色メラニンの生成を増やします。働き疲れたビタミンCの元気を再び取り戻してくれるので、ビタミンCと一緒に摂ると、シミをできにくくして肌の美白効果がアップします。
調理
タラはクセがなく淡白な味わいなので、和食、洋食、中華とどんな料理にも合わせやすい食材です。旬の冬には栄養成分が増えるので、鍋に野菜をたっぷり入れて食べれば、栄養のバランスも良くなります。
食べ合わせ
抗酸化作用のあるビタミンCやリコピンは細胞を丈夫にするので、細胞をつくるタンパク質と合わせることで、肌荒れの改善や免疫力の強化に役立ちます。血圧を下げるカリウムとコレステロールを下げるエリタデニンを合わせて、動脈硬化を防ぎます。