マグロ 豊富なDHAで脳を活性化する作用がある魚です。マグロは、脂身のトロの部分にDHAの含有量がほかの魚介類と比較して特に多いのが特徴です。マグロの栄養と作用、調理、食べ合わせに関する情報です。
マグロ 栄養と作用
マグロには不飽和脂肪酸のn-3系脂肪酸といわれるDHAやEPAが豊富に含まれています。n-3系脂肪酸は体内では合成されないので、食べものから摂取するしかない大切な栄養成分です。マグロは、脂身のトロの部分にDHAの含有量がほかの魚介類と比較して特に多いのが特徴です。
DHAは、脳に大きな影響を与えるといわれている成分で、情報伝達をしている脳の神経細胞の細かな部分にまで入り込むことができ、DHAが多いほど情報処理がスムーズにおこなえると考えられています。
脳の神経細胞の数は、母体の中で胎児の脳が形成されるときに決定して生後に増えることはなく、年齢を重ねると共に減っていく一方なのですが、DHAをじゅうぶんに摂取して脳に刺激を与えると、残った神経細胞を活性化させることはできます。脳は刺激を与えてトレーニングすればするほど向上する性質で、これは年齢を重ねても変わらないことなので、ボケの防止になります。脳細胞の破壊によって起こる認知症の予防にもなります。
このようにマグロに多いDHAは、学習能力や記憶力をアップさせるのに役立つのです。
そのほか、悪玉コレステロールや中性脂肪を減らす作用があります。日本人の死亡原因の上位を占める三大疾病や動脈硬化、高血圧、糖尿病などの生活習慣病を予防、改善します。
また、視力を向上させるはたらきもあります。
EPAには、血液をサラサラにしたり、善玉コレステロールを増やすといった作用があります。
血液が血管内で固まると血栓ができますが、血栓によって血管が詰まると血液が流れなくなって、脳に血栓ができれば脳卒中を起こす可能性が高くなり、同じように、心筋に酸素や栄養を与える動脈の一部が硬化や血栓によって狭くなったり、ふさがったりすると心筋梗塞を起こしやすくなります。
こうした血栓ができるのを防ぎ、血液が流れやすくする効果がEPAにはあるのです。DHAとEPAに共通するはたらきには、中性脂肪の低下や血小板凝集の抑制などがあります。
脂がのったマグロのトロは人気ですが、高タンパクで低脂肪のヘルシーな赤身の部分もおいしいです。必須アミノ酸で構成された良質なタンパク質や貧血を防ぐ鉄分の他に、ビタミン類やミネラルも含まれています。
DHA・EPAの効能についてはこちら。
調理
マグロの血液中の成分は空気に触れると酸化して色が悪くなり風味も落ちるので、鮮度を保つにはラップなどでしっかり保護し空気に触れないように冷蔵庫に入れて保存しましょう。
マグロにはDHAもIPAも含まれています。加熱しても成分は変化しませんが、脂肪量が減食しない生食がベストです。クロマグロなら脂肪の量が増える冬がいちばんです。
食べ合わせ
脳のエネルギー源となるでんぷんとDHAを一緒に摂って脳の活性化に役立ちます。おくらのネバネバ成分の食物繊維とDHAには、どちらにもコレステロールの低下作用があるので、動脈硬化の予防に期待できます。血圧を下げるカリウムとタンパク質の組み合わせで、高血圧の予防につながります。
こんな食べ合わせが体にいい
- マグロ(DHA、タンパク質)にパスタ(でんぷん)をプラスして、脳の活性化。
- マグロ(DHA)におくら(食物繊維)をプラスして、動脈硬化の予防。
- マグロ(タンパク質)に山芋(カリウム)をプラスして、高血圧の予防。
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